Q3.離婚後の養育費について
夫婦トラブル解決のための法律Q&A
Q.03 「離婚後に養育費はどれくらいもらえますか?」
子供がいる場合、離婚後も当然子供が元夫と同等の生活を送る権利がありますので、養育費は事実上の義務です。
父親は養育費の支払いから逃れることはできません。しっかり請求していきましょう。
一般的には、離婚というと調停をすることはまだそれほど多くはなく、ほとんどの夫婦が協議離婚で離婚されると思います。
ただし、協議離婚で口約束で養育費を定めても、その通りに支払う男性はめったにいません。そして、夫婦間で念書を作成しても、さほど効力を持ちません。
子供がいての離婚の際はぜひ家裁で調停をしましょう。
そして、調停で養育費の額と支払い方法、子供の面会交流をしっかり調停調書に残しましょう。調停調書は裁判の判決と同じ効力を持ちますので、のちのち支払いが滞れば強制執行も可能です。
これは、当然離婚後であっても同じです。家裁での「養育費請求の調停」により、調停委員さんを介して元夫と協議をすることが可能です。
調停は裁判とは違って気軽に利用できるもので、家裁の調停委員さんを挟んでの話し合いです。裁判とは全く違います。
調停の費用は2千円もかかりませんし、月1回程度の話し合いですので、弁護士も必要ありませんし(お金があれば弁護士さんも同席してもらうことも有効です)、気軽に家裁に行きましょう。
一度やれば家裁も気軽に利用できるところだということを理解できるかと思います。
養育費の相場というものは正確には存在していません。
あくまで、夫の収入と母親の現在の収入(離婚後の収入予定がある場合はそちらで計算も)によって決まるものです。
そういう意味では、双方の収入予定から養育費を算定する表が存在しています。
養育費の算定表・計算ツール(ベリーベスト法律事務所版)
養育費の算定表・計算ツール(弁護士法人ALG&Associates版)
残念なことに意外ともらえる養育費というのは少ないものです。
夫の給料が500万円で妻が150万円の場合、養育費はだいたい4~5万円に落ち着くようです。
もう少し何とかならないものでしょうかね…特に岩手県は県全体の平均収入が低い傾向にあるために、東京などと比べると養育費の額も低くなる傾向があります。
夫の収入が300万円なのに、養育費として月々10万円を請求することはできないということになります。
しかし、月々5万円だったとしても、年60万円で、10年で600万円にもなります。月々は少なくても最終的には大きな額になりますので、しっかり請求してください。養育費は妻の権利ではありません。子供の権利です。
離婚時に慰謝料にこだわるあまりに養育費を適当に決めてしまうケースが非常に多いです!慰謝料は最終的に低い額であっても、養育費を高くしてください。
ただ、もし夫の仕事が不安定で養育費の回収が難しそうであれば、慰謝料をなるべく事前に一括でもらうなり、できる限り離婚時の慰謝料や解決金として現金を受け取るべきです。
夫婦の状況に応じて対処方法を考えなければなりませんが、夫が転職もせずに1か所でしっかり働くようなタイプであれば取りっぱぐれは少ない傾向にあります。
調停で決定した養育費は強制執行ができますので、夫が無職にならない限り、給料からの天引きなどにより回収できます。
夫も元妻に対する慰謝料を支払う気にはなれなくても、子供のための養育費という名目なら渋々でも支払いに応じることがありますので、養育費は裁判所を挟んで決定してください。
公証人役場での公正証書作成でも強制執行は可能ですが、夫がすんなり話し合いに応じるケースでないと公正証書の作成は難しいです。
そして、当事務所の見解としては、養育費の振込み口座はお子さん名義の口座にすることをオススメします。
夫も妻名義の口座に入金するとなると、何に使われるかわからないという理由で支払いをしないことも多いものです。
ですので、お子さん名義にすれば、夫も子供のために入金しているという意識を持ちやすく、浮気相手にも説明しやすくなるものです。
ただし、再婚相手の名字に変更されるのであれば逆効果ですのでお気をつけください。再婚はいつ自分にやってくるかわかりませんので、それならば最初からご自分名義の通帳の方がいいかもしれません。
養育費をもらうには、ちょっとしたコツが必要といえるかもしれません。
それから、借金ばかりでお金のない夫から養育費をもらう方法についても解説があります。夫から養育費や慰謝料を取れそうにもない女性はぜひ一度ご覧になってください。
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