Q5.第三者(家族)からの慰謝料請求について

夫婦トラブル解決のための法律Q&A

Q.05 「子供の分も相手の女に慰謝料請求してやりたいです…」

残念ながら、子供から浮気相手への慰謝料請求はできません。第三者にその権利がないからです。
この場合の慰謝料は不法行為に対する請求ですので、あくまで貞操義務を負った夫と妻との間での請求権であり、その侵害をした浮気相手への損害賠償請求ですから、子供は関係ありません。

ただ、浮気相手にそそのかされて父親が子供とわざと会わなかったり、自宅に入れるべき生活費をわざと浮気相手が取り上げていたりする場合、直接子供の不利益につながりますので、請求が可能です。
その場合は、そういう指示を浮気相手が出していたという証拠が必要になりますので、事実上は困難な請求と言えるかと思います。裁判はなんでも証拠が必要となるのです。

子供からの請求は養育費であり、それを調停などでしっかり確定させて、確実に支払わせることが何よりも大事です。
離婚は簡単に決めてはいけませんし、するのであれば養育費のことだけでも家裁での調停を利用して決着をつけましょう。
子供が当然受け取る権利である養育費を母親が安易にあきらめたりしてはいけません。必ず支払わせましょう。
そして、その方法があるわけです。家裁で調停をしましょう。費用も2千円もかかりませんし、弁護士も必要ありません。

例えば、慰謝料100万円よりも、養育費月4万円の方が大きい額なのです(月4万円で、年48万円、10年で480万円です)。
夫も、慰謝料を支払うのはイヤだけど、裁判所に「それなら養育費をしっかり払いなさい」と言われたら、応じるケースが多いものです。慰謝料は低額で合意しても、その分養育費は高めに合意してください。

もちろん、できれば慰謝料もある程度の額を一括でもらい、その上で養育費ももらえればベストですが、最悪はそういう手があるということです。
養育費を途中で止めてしまう可能性がある夫であれば(すぐ転職するタイプ)、事前にできるだけ多くの現金(慰謝料、もしくは離婚解決金として)をいただけるように交渉をしましょう。浮気夫のほとんどが養育費の支払いをやめてしまいますので。

わからないことがあれば、当事務所にご相談ください(ただし、全国から問い合わせがあるのですが、うちは法律相談所ではありませんので、岩手県の方などに限らせていただいています~)。