Q17.離婚後の生活保護について

夫婦トラブル解決のための法律Q&A

Q.16 「離婚後に生活保護を受給できますか?」

困っている人を救うことが社会保障であるわけですが、生活保護は国と市町村の税金に係わることですので、なかなか受給できるものではありません。そもそも、仕事をしたいが体調不良などで現在仕事ができず、さらに財産もなく、親族も非常に遠い町にしか住んでいない上に、面倒も見てもらえないという切羽詰った人でないと受給できないわけですから、働く元気があり、車や財産も持っているような人には厳しいものがあります…というか、そういう人はムリです。

ただ、夫の浮気などで長い間精神状態が悪く、実際にひどいうつ病などにかかっている場合は、医師の診断書などを提出することで生活保護が受けられます。うつ病もひどいものになると、医師の診断書によって、精神障がい者2級の障がい者手帳を交付されることもあります。そうなれば、生活保護も受給しやすくなります。

生活保護が受給でき、障がい者手帳が交付されれば、例えば離婚後の引越しの際にも補助が出ますし、不動産屋によっては、生活保護や障がい者年金が入るから取りっぱぐれもないということで、比較的簡単に住居を貸してくれることもあるほどです。

生活保護には、生活扶助、住宅扶助、医療扶助、教育扶助など、最低限の生活を送る権利があるのですから扶助を受ける権利もあるはずなのですが、本当に生活に困っている人でなければ、受給は難しいものです。

●生活保護の種類

 生活扶助…毎日の生活に必要な食費や光熱水費などの費用です。

 住宅扶助…家賃、地代または住宅の補修費などの費用です。

 教育扶助…義務教育に必要な学用品代、給食費などの費用です。

 介護扶助…介護サービスが必要な場合の費用です。

 医療扶助…病気やけがなどをした場合の医療に必要な費用です(通院交通費も含まれる) 

 出産扶助…出産に要する費用です。

 生業扶助…技術を身につけるための費用や高校等の就学費用、就職準備費用などです。

 葬祭扶助…葬儀などに要する費用です。

本当に困ったことがあれば、各役所の福祉事務所に相談に行きましょう。もしくは、弁護士さんを連れて、相談に行きましょう。支援団体さんに交渉していただくということもできます。
それから、ご近所に民生委員さんがいますので、その方に状況を伝えて、市役所などに伝えてもらうようにすることも必要になるかもしれません。
とにかく頑張るしかありません。くれぐれも消費者金融や闇金に借金をすることがないようにしていただきたいと思います。

 

生活保護がもらえなくても、児童扶養手当などの補助もありますので、ぜひ各市区町村のホームページなどで確認しておいてください。